プトン造『総タントラ部解説〝タントラ部なる宝の妙厳飾〟という書』『瑜伽タントラの海に入る船』和訳

遠藤祐純 著

 

 


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 『大日経』に関していえば、善無畏、一行による『大日経疏』があり、我が国ではそれに従って『大日経』が理解され、伝統化していった。彼と殆ど同時代、八世紀半ばインドではBuddha-guhyaによる『大日経』の広釈と略釈が出されているが、中国、日本では今日に至っても問題視されていない。
 『金剛頂経』に関しても同様で、八世紀半ば頃ĀnandagarbhaやŚākyamitraによる広註とBuddhaguhyaの要義集が出されているが、中国に将来されることはなく今日に至っている。したがって日本に於ても同様であったが、日本では、主に円仁(七九四〜八六四)の『金剛頂経疏』と曇寂(一六七四〜一七四二)の『金剛頂経私記』によって理解されている。
ここで新たにプトン(一二九〇〜一三六四)の『瑜伽タントラの海に入る船』を加えたいと思う。
既刊の諸註釈書と共に、両部大経研究の一助になればと思う

(あとがきより)